X上ではしばしばツイフェミ1主にウェブサイトX(旧twitter)において男性嫌悪的な主張を繰り広げる人々によって「女性だけの街」がほしいという声が聞かれる。こうした彼女ら(匿名なので本当に女性か分からないが)の投稿を見ていると、本当にツイフェミに必要だったのは自分たちを守ってくれる男性の存在だったのではないかと思うのだ。
ツイフェミを構成している要素は
- 男性嫌悪
- 左翼イデオロギー
の2つだと思うが、それに加えて顕著に感じられるのが精神障害(=精神疾患)の傾向である。もちろん一概にツイフェミと言っても様々だろうから皆が皆、精神障害者だと断言する訳ではない。
…が、彼女らの投稿を見ていると、単なる思想の偏りという次元ではない、何らかの精神障害があると感じさせる内容が多い。プロフィール欄や投稿に精神障害がある旨を記載しているアカウントも多い。家族と不仲で反出生主義をセットで唱えていたり、「元夜職」を自称している人物が多いこと(一般に精神障害を持つ女性は性風俗に流れやすいと言われている)などもツイフェミと精神障害のつながりを示す傍証と感じられる。そしてこうしたツイフェミたちの中には非現実的な過度な不安に苛まれているような人物が多く見られる。「女性だけの街」を支持しているのもこうした人々だろう。
彼女らの発言を見ていると男性の犯罪・加害を槍玉に挙げていることが多い。「男は全員犯罪者予備軍」「男は生まれたらすぐ睾丸を摘出・冷凍保存して子供がほしければそこから取り出せばいい」「(男性専用車両に対して)女性が間違って乗ったら暴行される、女の子が引きずり込まれる」など、明らかに現実感覚から乖離した男性観を持っていることがわかる。
確かに犯罪は男によるものが圧倒的に多い。また同じ女からの暴力であれば女性でも抵抗の余地があるが、男からではそれも難しい。そのため女性が男性による犯罪・加害を恐れること自体は不思議ではない。
ここで思うのだが、かつての社会であれば、女に危害を加えるのが男であれば、そうした危害から女を守るのも男だった。具体的には父や夫といった家父長だ。
女性は守られるべき存在だった
今の日本社会(だけでなく先進国全般だが)にはツイフェミのような者を生み出す土壌があると思う。すなわち男女の平等化と都市化、そして情報化だ。
古代ギリシャや現代のアラブ諸国のような厳格な家父長制家族の社会では、女性は家父長の許可なしには外に出ることもできない。外出をするにしても男性保護者の同伴が必要だ。それは女性にとって不自由ではあるが、裏を返せば父や夫といった家父長に守られているということでもある。しかし先進国でそのような制度は女性の権利を侵害していると捉えられ、到底許されないだろう。
現代日本では男女の平等化が進められた結果、女性も男性と同じような生活をするようになった。男性と同じように働き、一人で外出し、一人暮らしもする。そうすれば上記のような囲われた生活に比べて犯罪の被害に遭いやすくなるだろう。
見知らぬ人々と暮らさないといけない都市化の弊害
女性の社会進出に加え、都市化、つまりどこの誰かも分からないような人々と身近に暮らす生活様式の広がりも大きく影響していると思う。村落や前近代の都市のように顔の知れた住民同士で生活圏を共にするならば、女性にとって危険と感じる対象はツイフェミのような漠然とした男性全体ではなく、既知の特定の男性か、コミュニティの外の男性となるだろう。そうした社会で生きる女性にとっては危険でない男性と危険な男性の区別がつくわけで、ツイフェミのように男性性そのものを恐怖と憎悪の対象にすることはないだろう。
対して現代の都市社会では基本的に顔の知らない相手と共に生活するのが当たり前だ。毎日の通勤通学で出会う人々、食料や生活必需品を買う店の店員、隣近所の住人すら見知らぬ他人であることも珍しくない。誰なのか分からないのだから危険な人物なのかも当然分からない。周囲にいる男性すべてが自分に害を及ぼしてくるなどと考えるのは異常だが、問題は誰が安全で誰が危険なのかが分からないことだ。そうなれば状況次第では男性全体に不安を覚えるようになっても不思議ではない。
現代の都市社会というのは高度に治安が守られた状態でありながら、もしかしたら危険人物かもしれない見知らぬ人々と暮らす不安が伴う社会だ。これが前近代の村落のような、盗賊などの外敵にいつ襲われてもおかしくないような場所であれば、身近な男性によって常に女性が守られる必要があった。現代に比べればそちらのほうが女性にとって「安心感」はあったのではないだろうか。
現代では自衛隊や警察などによって高度に治安の保たれた(おそらく顔見知りばかりの”安心”できる社会に暮らしていた頃よりも)社会が作られた。そのために女性が一人で外を歩けたり、一人暮らしをすることもできるようになった。だが外敵から女性を守り治安を維持している自衛隊員や警察官も多くは男性である。男性が女性を守っているという構図自体は変わっていないのだ。
都市人口の増大と分業化の発達、地域コミュニティの崩壊によって誰が自分たちの安全を守り、誰が自分の生活を支えているのかが分からなくなった。「女性だけの街」を称賛するような、すべての男性に恐怖を抱くツイフェミは、顔のわからない相手に頼って暮らさなくてはならないほど肥大化・複雑化しすぎた社会が生みだした歪みと言えるかもしれない。
不安を増幅する情報化
情報化の進展もツイフェミを生む要因になっていると思う。テレビやネットを見ると毎日のように犯罪のニュースが目に入ってくる。こうした犯罪も全国1億2千万人が暮らしているうちの極稀な出来事ではあるのだろうが、精神障害によって外へ出る機会や、人や社会と繋がる機会がなくなることで現実世界の感覚を失い、テレビやネットのニュースばかりで社会を知ることになれば、まるで外では犯罪ばかりが起きていて、自分もいつ男による加害を受けるか分からないと不安になっても不思議ではない。そうして男性への不安や憎悪が高まり、Xなどで同じツイフェミの発信を見るようになればエコーチェンバーによってそうした感情や認知が増幅されてもいくだろう。
ところで、ツイフェミを見ていると思うことがある。かつての2ちゃんねるには女性嫌悪者が多くいて(現在の匿名掲示板界隈でもそうなのかもしれないが見ていないので不明)、そうした連中は一体どうしてそんなに女を憎んでいるのかと不思議に思えるほど女性への熾烈な罵詈雑言に明け暮れていた。そんな彼らは「電車に乗ると痴漢冤罪に遭う」「子供に不審者と思われたから挨拶された」などおおよそ現実感覚からかけ離れた認知を有しており、そうした理由で「社会的に死ぬ」ことを過度に恐れていた。ツイフェミはまさにその女版だ。おそらく彼ら彼女らは性別が違うだけで同じような種類の人間なのだろう。何らかの精神障害があり人や社会との繋がりが希薄なのだ。
情報化が不安をもたらしているのは何もツイフェミや2chの女性嫌悪者に限らない。昨今、会社に入社してもすぐに退職する者が後を絶たないという。また同様に小中学生、高校生の不登校や自殺が過去最高を更新し続けている。こうした出来事の一因としてネガティブな情報が世の中に溢れかえっていることが大きいのではないかと思う。
世界には時間の概念を持たないという部族(アフリカや南アメリカの森林で原始的な暮らしをしているらしい)がいて、時間の概念がない彼らは未来への不安もないために概して幸福度が高いのだという。対して現代日本人は、自分の入る会社がブラック企業なのではないか、この上司はパワハラをしてくるのではないか、学校に行けばいじめられるのではないか、いい大学に行かないと路頭に迷うのではないか、などなど、未来への不安で一杯になっている。実際とりあえずやってみればなんとかなることが大半だと思うのだが、日々そのような失敗談や被害談を耳にしているから、自分もそうなるのではないかと不安になってしまう。だからそうした失敗や被害のリスクを何としてでも避けようと躍起になるのではないか。男性への恐怖と憎悪に囚われ「女性だけの街」を求めるツイフェミもそうした人々の一形態に思える。
女性の社会進出が進み、女性が一人で生活できるようになったが、逆に言えばそうしないといけなくなったということでもある。今の日本社会でずっと夫につきっきりで生活するのは難しいし、専業主婦としてずっと家にいることにもやたらと風当たりが強くなった。結婚せずずっと実家に住んで仕事をしていなければ子供部屋おばさんとかニートなどと言われるだろう。男女の平等化によってこれまで男性が言われてきたような非難や罵倒を女性も受けるようになった。今は、嫌でも女性が一人で見知らぬ人間が往来する外に出て働かないといけない時代だ。こうした社会のあり方がツイフェミを生み出している側面があるのではないか。
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