不起訴の理由が「諸般の事情を考慮した」ばかりになってしまった検察 これでよいのか?

愛知県新城市で7月に軽自動車で女児をはねて意識不明の重体にさせた22歳の男が不起訴になったという報道を見た。不起訴の理由は「諸般の事情を考慮した」などというものだ。警察も女児のその後の容態を明らかにしていないという。

軽乗用車の運転手男性を不起訴 名古屋地検豊橋支部「諸般の事情を考慮」 小学生被害事故
名古屋地検豊橋支部は29日、愛知県新城市で7月に軽乗用車で小学生の女児をはねたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕された男性(22)を不…

このニュースは、運転手が誰なのかわからない、なぜ不起訴になったのかもわからない、なぜ女児のその後の容態を警察が明かさないのかもわからない、というわからない尽くしの内容だ。

検察は不起訴の理由を「諸般の事情を考慮した」と発表したとのことだが。これでは理由になっていない。すこし前に最高検察庁が不起訴の理由を可能な限り公表するよう全国の検察に指示するという一件があった。確かに事件報道を見る限り、その後しばらくは検察も不起訴の理由をちゃんと説明していた。

だが最近の検察はこのような「諸般の事情を考慮した」「積極と消極双方の理由を考慮した」などという何の説明にもなっていない説明ばかりをするようになっている。以前の不起訴の理由を明らかにしようとしなかった検察に実質的に戻ってしまったと言っていい。

私は検察が不起訴の理由を明かすようになったのは高市政権の要求によるものだと考えていて、検察自身は本来は理由を公表したくなかったのだと思う。そのため一度は政権の言うことを聞いて理由を明かすようにしても、今のように理由になってない理由ばかりを説明するごまかしに走るようになった。そんな状態を高市政権が許しているのも、もしかしたら不起訴理由を可能な限り公表するようにせよという検察への要求も、あくまで選挙のための支持層に向けた一時的なパフォーマンスに過ぎなかったからなのかもしれない。

なぜ検察は不起訴理由を積極的に公表するようにしたのか? 事実に基づかない流言によって「改善」される不健全な日本社会
金沢地検が不起訴理由を原則公表する方針を発表昨年の2025年11月、金沢地検が被疑者を不起訴とした場合、その理由を報道機関に原則公表する方針を示したというニュースを見かけた。1これまで検察は不起訴にした理由を明らかにしないことが非常に多く、…

いずれにせよこのような検察の姿勢は許されないと思う。検察も官僚組織である以上、黙っていれば秘密主義に傾いてしまう。政府の指導で効果がないなら不起訴の理由を説明する条件を事細かに決めて、可能な限り国民に説明するように法律で定めるべきではないかとも思う。

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