愛知県新城市で7月に軽自動車で女児をはねて意識不明の重体にさせた22歳の男が不起訴になったという報道を見た。不起訴の理由は「諸般の事情を考慮した」などというものだ。警察も女児のその後の容態を明らかにしていないという。

このニュースは、運転手が誰なのかわからない、なぜ不起訴になったのかもわからない、なぜ女児のその後の容態を警察が明かさないのかもわからない、というわからない尽くしの内容だ。
検察は不起訴の理由を「諸般の事情を考慮した」と発表したとのことだが。これでは理由になっていない。すこし前に最高検察庁が不起訴の理由を可能な限り公表するよう全国の検察に指示するという一件があった。確かに事件報道を見る限り、その後しばらくは検察も不起訴の理由をちゃんと説明していた。
だが最近の検察はこのような「諸般の事情を考慮した」「積極と消極双方の理由を考慮した」などという何の説明にもなっていない説明ばかりをするようになっている。以前の不起訴の理由を明らかにしようとしなかった検察に実質的に戻ってしまったと言っていい。
私は検察が不起訴の理由を明かすようになったのは高市政権の要求によるものだと考えていて、検察自身は本来は理由を公表したくなかったのだと思う。そのため一度は政権の言うことを聞いて理由を明かすようにしても、今のように理由になってない理由ばかりを説明するごまかしに走るようになった。そんな状態を高市政権が許しているのも、もしかしたら不起訴理由を可能な限り公表するようにせよという検察への要求も、あくまで選挙のための支持層に向けた一時的なパフォーマンスに過ぎなかったからなのかもしれない。

いずれにせよこのような検察の姿勢は許されないと思う。検察も官僚組織である以上、黙っていれば秘密主義に傾いてしまう。政府の指導で効果がないなら不起訴の理由を説明する条件を事細かに決めて、可能な限り国民に説明するように法律で定めるべきではないかとも思う。