「新聞をめくる音がうるさい」乗客を引きずり下ろしナイフで切りつけた75歳の老人

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事件の概要

2026年6月1日、東京都大田区のバス車内において石井富夫(75歳・無職・大田区東糀谷1)が、乗り合わせた面識のない50代の男性に「新聞をめくる音がうるさい」と言いがかりをつけ、男性をバスから引きずり下ろした直後、折りたたみナイフで左頬を切りつけ軽症を負わせた。

石井はその後逃走していたものの、バス運転手からの通報を受けた警察によって、現場から1キロほど離れた路上で殺人未遂と銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕された。

石井は逮捕時に「脅すつもりで切りつけた」と話しており、その後の調べで「バスの中で口論になった」「ナイフで頬を切りつけたことは間違いないが、殺すつもりはなかった。殺人未遂というのは納得できない」と供述している。

事件当時、バスの車内は数人の乗客がいるだけで混んではいなかったという。

私見

犯行の動機は「新聞をめくる音がうるさかった」というものだ。バスの乗客は数人で、新聞をめくる音などそれほどうるさくしようのないものである以上、言った本人は本気だったのかもしれないが、難癖というほかないだろう。

そもそも折りたたみナイフを所持していたということは、こういうトラブルが起きることをすでに想定していたということで、これ以前にも同じようなトラブルを繰り返していた可能性がある。認知症や統合失調症といった何らかの精神障害を患っていた可能性もある。いずれにせよまともな人間でないのは間違いない。

石井は近隣住民からは「いつもこのあたり一帯を掃除してくれるいい人。トラブルなどもない」とも評されていたようだが、そう評した住民がどの程度近しい間柄だったのかはわからないし、近所を掃除していたというだけでこうした行いをしない人物とも言い切れない。もし問題のない人物だったのだとしても、事件前に精神に異常をきたしたのかもしれない。

やはり常々思うのは、このような危険人物を野放しにしてはいけないということだ。今回の被害者は50代の男性だったようだが、犯人の攻撃性が、より弱い子供などに向けられていれば取り返しのつかないことになっていたかもしれない。

事前に同じようなトラブルを起こしていたり、なにか危険な兆候が見られたりしていれば、その時点で強制入院など社会安全のための措置をとるべきだ。もっとも昨今は地域社会のつながりが失われて久しいため、家族がいなければなかなか周囲が気づくのは難しいかもしれない。危険人物の隔離とあわせて定期的な健康診断などを行政がおこなって発見につなげるようにするべきだ。

また今回の犯人は殺人未遂とはいえ相手が軽傷で済んでいるため、銃刀法違反と合わせても執行猶予になるかもしれない。最も危惧されるのは、犯人が反省もせず、治療もされずに娑婆に送り返されて同様の事件を繰り返すことだ。実際にそうした事例は散見されているため、この犯人がそうなる可能性も十分あると思う。

参考資料

共同通信『バス乗客切り付けた疑い、男逮捕 「新聞をめくる音がうるさい」』2026.06.01 社会

読売新聞『大田で切りつけ 容疑75歳を逮捕 バス同乗者とトラブル=東京』2026.06.02 東京朝刊 21頁

中日新聞『バス乗客切り付け 立ち去った男逮捕 東京 殺人未遂疑い』2026.06.02 朝刊 19頁 第3社会面

FRIDAY DIGITAL『【高齢者の暴力】75歳の男が口論相手の顔をナイフで…バスや電車で頻発する「乗客トラブル」』https://friday.kodansha.co.jp/article/470643

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事件まとめ