最近の地方新聞、いくらなんでもおかしすぎないか?と思った下妻市長の死亡記事

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この記事は茨城県下妻市の市長が排水路で死亡しているのが発見されたという茨城新聞の速報記事だ1。この中に一つ強烈な違和感を覚える部分がある。

まず事件そのものについて触れる。茨城県下妻市の須藤豊次とよじ市長(67)が用水路で首をつって死亡しているのが警察官によって発見された。警察は自殺の可能性が高いと考えている。茨城新聞の記事はその遺体が発見されたという部分を速報したものだ。

抜粋

15日午前0時50分ごろ、茨城県八千代町本郷の排水路で、同県下妻市、下妻市長(67)を、119番通報を受けた県警下妻署員が発見、その場で死亡が確認された。

違和感を覚えるのはこの中の「下妻市長(67)」という部分である。なぜ下妻市の須藤豊次市長(67)と表記しないのか。

近年の地方新聞や地方テレビ局は、事件の被害者や加害者の実名をよほどの重大事件でない限り匿名で報じている。おそらく新聞社内に実名報道を行うかどうかの基準があり、今回の記事もその基準に照らして執筆した結果、このようになったのだろう。

しかし、当たり前の話だが茨城県下妻市の市長は一人しかいないし、名前を隠さないといけないような人物でもなく、調べればすぐにわかる公人だ。匿名にする理由は全く見当たらない。画一的にルールを当てはめたおかしな記事を平気で出している。ひどい仕事だ。

近年のメディアはネットで拡散することを恐れてか事件の犯人や被害者の実名を報じたがらない。これは地方新聞・地方メディアで特に顕著だ。それ自体もどうかと思うのだが、そのためのルールの運用が地方メディアではかなり杜撰なのだ。

今回の記事と同じような例をあげると、2019年の埼玉新聞に元サッカー選手が逮捕されたことを報じる記事2があったのだが、かつて所属していた2つのチーム名までわざわざ明かしておいて、名前だけはなぜか匿名で報じている。おそらくこれも社内の基準に照らして実名を出さなかったのだろうが、PVを稼ぐため3にあえて元サッカー選手であるという情報を記事に入れたのだ。所属していた2つのチーム名と年齢を照合すれば簡単に誰であるのかわかってしまうにもかかわらずだ。

つまるところ、現在の日本の地方メディアではこのような画一的なお役所仕事が平気でまかり通っているということだ。記者クラブというマスメディアだけが入ることを許される場で警察など公的機関から情報をもらい、それを記事にして売る。いわば情報の専売公社であり、そこで働く記者も多分に官僚的だ。新聞を取っている人々(最近はもっぱら高齢者だが)の多くも、たいして読みもしないのに月数千円という決して安くない額を慣習として支払っている。このような業態では腐敗硬直するのも当然だろう。

加えて不気味なのは、新聞社というものは本来、一社一社が独立した企業であり、報じ方もおのおの差があってよいはずなのだが、近年は地方新聞・地方テレビ局が足並みを揃えてこのような報じ方をしている。これは、地方のメディアというのは地方メディア同士、また全国メディアと資本、人事面でつながりがあり、共同通信から記事の配信も受けているので実質的には独立した存在ではないからなのだろう。

だが、そのようなメディアだけが記者クラブという閉鎖的な場で独占的に情報を得られるのはおかしい。公的機関による情報公開のあり方は見直されるべきだ。

  1. 茨城新聞のサーバーがダウンしているのでYahooニュースに配信された記事を貼付している ↩︎
  2. https://www.saitama-np.co.jp/articles/2857/postDetail ↩︎
  3. この記事は私の記憶ではヤフーニュースに掲載されていて、ヤフーニュースの記事はPVごとに配信元に収益が発生する ↩︎

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