時速140キロ超で赤信号を無視。38歳と14歳の母子を死亡させた男(2026/3/7 富山市)

概要

犯人の杉林凌(26)

2026年3月7日、富山県富山市の国道8号交差点で杉林凌(26歳・会社員・富山県舟橋村)が運転する車が時速140キロ超で赤信号を無視して交差点に侵入。右側から来た軽乗用車と衝突し、軽乗用車に乗っていた会社員、上田絵莉加さん(38)と息子で中学生の壮芽さん(14)の母子2人が死亡。衝突された軽自動車は横転し、壮芽さんは車外に投げ出されていた。

事故直後に現場に駆けつけた人によると、「母親は大破した車の中に閉じ込められていて、何度窓をたたいても応答がなく、お子さんは車の外に投げ出されていて……。『外傷があまりに酷く、私ではもうどうにもできない状態だった』」という。

衝突された上田さんの軽乗用車

杉林は自動車運転処罰法違反(危険運転致死)の疑いで逮捕・送検。取り調べでは事故前に他の車を一方的に競走相手とみなして「追い越して引き離そうとした」「赤信号でも行ってやろうと思って交差点に入った」と供述している。

3月27日、富山地検は杉林を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)罪で起訴した。

衝突の瞬間

直前まで犯人の車と競走していた「白いシビック」の存在

フライデーデジタルの記事によれば、事故の前に杉林の車と見られる赤色のホンダ・シビックともう一台の白いシビックが国道8号を並びながら爆走している姿が目撃されていたという。恐らく杉林が追い越して引き離そうとしたと供述しているのがこの白のシビックだと思われる。もしこの目撃情報が事実なら白のシビックの運転手も共犯として検挙されるべきだろう。

犯人の杉林凌について

杉林は富山市内の走り屋の間では「有名人」だったという。上述のフライデーデジタルの記事では同じく「走り屋」だったという人物が、8号線を走行中に杉林の赤いシビックに急加速で追い越されたことがあったと語っている。その人物によれば車種とナンバーが特徴的であったためすぐに分かったという。この証言が事実なら杉林は常習的にこのような運転を行っていたのだろう。

杉林の乗る赤のシビック。いわゆるミラーナンバーと呼ばれる80-08ナンバー。一部ではDQNナンバーやヤンキーナンバーなどとも呼ばれているようだ

杉林の会社の同僚によれば、口数は少ないがちょっとしたことで激昂することがあり、とっつきにくい人という印象だったという。

既婚者と見られ、2022年の舟橋村の広報に婚姻した旨が記されている1同姓同名の別人の可能性もあるが、人口3200人程の自治体であるため蓋然性は低いと思われる

一人遺された兄は「僕、もう死にたいよ」と漏らす

亡くなった上田さんはシングルマザーで、女手一つで二人の子供を育てていたという。壮芽さんは県内のハンドボールチームに所属しており、そのチームの試合のため長野県まで向かう途中で事故に遭った。

一人遺された壮芽さんの高校一年生の兄は、葬儀では気丈に振る舞っていたものの、親しい友人に「僕、もう死にたいよ」と漏らしていたという。

現場検証において手を合わせる杉林。このような事故を起こしてから反省したところで何の意味があろうか

私見

おそらく裁判では危険運転致死罪が適用され懲役10年程度の判決に落ち着くのだろうと思う。だがこのような行為はほとんど殺人に等しい。法律には「未必の故意」という概念があり、たとえ意図していなくてもそうなる可能性を認識・許容していれば犯罪が成立する。この場合、時速140キロ超で意図的に信号を無視しているのだから、こうなる可能性は当然予測できたはずなので殺人罪が成立するはずだ。

だが実際はこのような事例で殺人罪で起訴されることはなく、もっぱら危険運転致死傷罪かそれより刑の軽い過失運転致死傷罪が適用されるのだが、全くおかしな話だ。恐らく検察はハナから殺人容疑で起訴しようとしないし、裁判所も適用する気がないのだろう。

だが重要なのは適用される犯罪の種類ではなく刑の重さだ。個人的には今回の杉林のようなケースは死刑か終身刑2現在の日本に終身刑はなく僅かながら出所の可能性のある無期懲役があるでよいと思う。法的にはこのような事故を起こしても出所し、欠格期間が過ぎれば再度免許を取得できてしまう。場合によってはまた同じような事故を起こすことも可能なわけだ。日本の法律は犯罪者の権利にばかり配慮し、被害者や今後被害者になりうる人の権利や心情に冷淡すぎる。

参考資料